京都の乙女文化発信クリエイター、koha*のブログです。
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いよいよ20日から『koha*の世界展vol.21~新作布G.G.W.の発表会』

 

先週あたりから、通勤や小結との散歩で

どこからともなく漂う金木犀のやさしい香りに

癒されるな〜と鼻をひくつかせて歩いています。

 

昭和のトイレ芳香剤の香りと言えば、やはり金木犀がNo.1☆

いつからトイレの香りはラベンダーと石鹸の香りになったんかな?

いや、良い香りだったら別になんでもいいんだけど・・・(笑)

 

さて、いよいよ来週末20日(金)より30日(月)まで

三条烏丸西入ル北側の文椿(ふみつばき)ビルヂング1階の

『椿ラボ京都』にてkoha*オリジナルファブリック40作目となる

新作布『G.G.W ~庭神ワンダー』を発表致します。

 

初めての点描画は、ちゃんと立体感が出るように

陰影が正しく表現できるように・・・という気持ちよりは

描き込みたいからどんどん盛り上がって描く・・・

という点描High的な楽しさがありました(^^;

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「にわがみ様かも知れへんわ・・・」母はそう言った。

 

春先だったのか秋口だったのかさえ想い出せない。

けれどメリヤス地に動物の絵がプリントされたパジャマに

母の手編みの臙脂色のカーディガンを羽織って

庭に面した掃き出し窓の際に幼い私は呆然と立ち尽くしていた。

 

安静にしていたおかげで高熱は引けて

だけど眠り過ぎたせいで、ぼぉとしていた。

 

夢か真か

未だにとらえどころの無い事件は、こんな状況下での”記憶”だ。

 

父は会社へ、姉はおそらく小学校にでも通っていたのだろう。

母は幼い妹を連れて、近所に買い物にでも出かけていたのか留守だった。

もう眠ることにも退屈していた私は

おひさまのふっくらした光を含んだカーテン越しに

隣の部屋の掃き出し窓がカラカラと祖母に開けられる音を聞いた。

窓のすぐ傍に設けられていた

盆栽や仙人掌の並んだ棚の手入れをしているのだと思った。

 

もうこれ以上寝られるはずもないと思っていたはずなのに

しばしウトウトしてハッと目覚めた時に

庭で何かが動く気配がして、窓に近づきカーテンをそっとずらした。

分厚いゴブラン織りの感触は今も憶えている。

 

立派な葉蘭と万年青の後に在った苔むした甲羅型の石が

低い呻き声を上げながらやおら立ち上がった。

少し背が高くなった石は

時折苔片や積層した泥片を剥がれ落としながら

ゆっくりと垣根の下を潜って地道へ消えていった。

 

一度目覚めたはずの夢の続きを見ているのだと思った。

思おうとしていたのかも知れない。

 

きっと夢だ、夢の中に居るのだと納得した矢先に母が帰って来た。

 

そして、私の話す一部始終を聞き終えて

「にわがみ様かも知れへんわ・・・」と呟いたのだ。

「もう、この家の子達は心配ないって、

次のおうちを探しに行かはったのと違うかなぁ。」

 

“庭神”にも”庭亀”にも聞き取れた。

 

色とりどりの花々に目を奪われて

普段は気に掛けることもなかった

地味な葉っぱの群れの影にあった石の跡を覗き込んだ。

確かに、何者かが居座っていたかのような

新しい凹みが残されていた気がする。

 

狐につままれたような、高熱のいたずらのような

その実、幾年か前にご近所の亀が逃げた事件があり

100%無い話では無いような白昼夢。

 

その奇妙な感覚ゆえに、子供心に”あまり口外してはならぬ”と

災いを回避すべく心の奥にしまっていたが

高校生くらいの時分に、一度、母に尋ねたことがある。

 

うーん・・・そんな事、在ったような無かったような。

それはどうか忘れたけど、うちの桜が秋に咲いた事も

○○さんとこの△△君が

初めてホームラン打たはった時には桜が黄色に咲いた事も

○○さんところのお婆ちゃんが亡くならはった時には

三毛猫が黒猫になった事もあったしなぁ。

 

などと、母の摩訶不思議な記憶エピソードは

私のちっぽけな白昼夢の更に上をいっており

人にはそれぞれ、夢か真かわからぬままの想い出。

の、ようなものが在って

畏れをなしたり、恥じ入ったり、

あるいは共感や心の支えとなったりして

ほの温かく包んでくれているのだろうかと思ったものだ。

 

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輪郭が不鮮明な幼少期の想い出を

曖昧な点描画でいつか表現したいと思っていました。
不思議の国の庭を、虫眼鏡片手に分け入って歩き回ってみてください。


c/#40  Purple rain
c/#05  Hazy winter

*samamaさま

何なんだろうね?
もうね、本当に不思議な感覚でした。
時間軸とか空間の歪みから、見えないはずのものが見えたような
そやけど、不気味って感じはなくて
既視感とか安堵も伴うような・・・
samamaさんの場合は、陽炎の中に入り口が・・・という感じなんですね。
うん、近いかも・・・なんか不思議よねぇ。
koha* | 2017/10/15 22:00
庭神様かあ。なんだか、素敵な響きですね。陽炎の中に小さな入り口があってその中に懐かしい人々の笑顔の声が聞こえてくるけど、まだなんだろうなと思う、そんなイメージ(笑)
samama | 2017/10/15 19:37
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