小豆の目の調子がいまひとつ芳しくなく車に乗って家人と病院まで行ってしまったところ
「置いて行かれちゃった・・・!」という思いが強くて興奮して
何かが外れたように小花がガクガクと震え出しました。
「大丈夫〜!大丈夫〜♪」
いつものように唄を歌って抱きしめて慰めて
少し収まったように思ったのも束の間
また、激しい痙攣が始まり出しました・・・
右半身を下にしてガクガクビクビクと震え出す小花の右頬の下に右腕を入れ
いつか獣医さんに言われた通り、症状を動画に撮っておかなければ!と
スタッフに表情や体の痙攣具合を撮影して貰いながら、左手で病院に電話。
痙攣は激しく、おしっこもウンチも臭液もすべてを床にもらしています。
目線はとてもしっかりしていて、でも激しく充血しています。
そして、徐々にアワアワのよだれがポタポタ、ジュルジュルと床を濡らして行きます。
みんなが外出中に起こっていた、昨年9月の初めての痙攣の際も
きっとこんなことが何分か起こっていたのですね。
症状を説明して、小花の息づかいを先生にも聞いていただいて
色々と指示を仰ぎました。
4分くらいして少し痙攣が治まりつつあったので
「小花、大丈夫!ようがんばった!しんどいのにようがんばってくれたな・・・!」と
いつものように撫でようと触れると
野性に還ったような唸り声で、すごい形相で噛みついてきます・・・
右手に9箇所の歯形がつくほど噛まれました。
血がにじんで腫れ上がってきます。
小花は絶対に人を噛んだりしない犬です。
「何で?どうした?!
大丈夫やで!もう大丈夫やで・・・?!」
スタッフも小花を撫でようとしてくれた時
警察犬の訓練で犯人を見つけたシェパードが腕に噛みつくのと同じように
スタッフの腕にガブリと噛みつきました。
厚着してくれていたので、腕まで歯は貫通していませんでしたが
服に穴が空いてしまうほど。
「全身が知覚過敏になっているから手を出さないで。撫でたい気持ちはわかるけど」
先生に教えられ、ただ傍にいるだけで手も握ってやれないまま
「お願い、小花。落ち着いて・・・おさまって・・・」と祈るように待ちます。
表情は穏やかになってきましたが、知覚過敏はおさまらず
「もう大丈夫かな?頑張った小花を撫でてあげたいな。」と手を近づけると
やはり表情が一変してガルルル・・・と唸ります。
お薬を処方していただいて、小豆の診察のために訪れた家人が貰って帰ることになりました。
時間が経つと、もう少し震えはおさまったけれど
まだ手を出さない方が、小花は興奮しなくてすむのかな?と
スタッフと共に、ただ傍に居るだけで何も出来ないまま待ちました。
そうこうすると、ふらつきながらも小花が立ち上がって
そこら中をウロウロし始めます。
あまり歩かせないで・・・と先生にも言われていたので
移動できるスペースを削って
短い距離だけ行ったり来たり出来るようにしました。
しばらくして完全に穏やかになってきたので
失禁して汚れたお尻付近を綺麗に拭いて消毒しました。
床も掃除しました・・・
そんな午前中を過ごし、昼一番から私は新規の商談2件の為に外出。
初めて訪れる南区の会社は、慣れない場所だったので到着するまでに少しあたふた・・・
事務所に通していただいて
商品を拝見して、ああでもない、こうでもない。と
直接的な要素から、時代だとかお客様の指向の変化や世間話まで
ご担当の方とたくさんお話しすることが出来ました。
やり甲斐のある仕事になりそう・・・
頭の中では、即座に5パターンくらいのプランが浮かんでいます。
これを他の方から、ちゃんと目に見えるような形にすることと
おおよそのお見積をご用意すること。
どんな仕事も、依頼していただいてから
さぁ・・・どうしよう?と資料をあたることは、私の場合、まずありません。
すぐ、頭の中には、実際の完成形とそう違わないイメージがパパパパ〜と浮かびます。
きっと、良いものが出来そう・・・
そう感じて一件目の打合せを終えて二件目の場所まで移動。
ちょうど徒歩で1時間くらいの場所なので
夕方近い慣れないまち並みをゆっくりと歩いてみました。
昔ながらのアパートがたくさんあって、お風呂屋さんも多い町。
ぽつりぽつりと畑もあって、小さな町工場もあって
歩くのは初めての場所なのですが、懐かしさのある道でした。
途中で東寺に辿り着いて"閉門は四時二十分"という看板を横目に
四時五分ながら境内にお邪魔しました。
一月の観光オフシーズンってこともあり
多くの人が、お給料日前ということもあり
何と言っても、こんな遅い時間からお寺巡りをする人も居ないので
広い境内に、カップルが一組しか居ない状態でした。
あー・・・お寺って落ち着くなぁ・・・
いいなぁ。東寺。
飾ってないもんなぁ。
"素"な造りのお寺っていうところがいいよなぁ。いいなぁ。
・・・
"素"の私が溢れ出てしまい、突然大声張り上げて泣き崩れました。
声を出して泣いたのなんて、何年ぶり・・・?
でも、多分、私はずっと泣きたかったんだな・・・
このくらい?
もっと?
打合せが終わって、帰ったら、もう小花は息をしてない気がして
わんわんと泣けてきました。
充分、もう充分過ぎるほど、別れへの準備期間も小花は用意してくれたと思います。
本当は、去年の9月に突然の別れがあってもおかしくはなかったし
そんな不意の別れに、耐えられない悲しみを背負って懸命に生きている
飼い主さんもいっぱいいっぱい知っています。
比較すれば、私は、すごく恵まれています。
多分、贅沢すぎるほど・・・
何度も、ちゃんと覚悟を決めたはずです。
ああ、全然、人間できてへんなぁ。小さいなぁ・・・
心にたまった無駄な水分は、全部東寺さんに流してしまおう
そう思ってわんわん吐き出しました。
申し訳なさそうな、門番のおじさんの「・・・もう・・・閉まりますよ」の声。
慌てて涙を拭いて通りに出ました。
全部流した。
そう言い聞かせて、二件目の現場へ(笑)
完全には切り替えられていないけど
そこそこ出来てしまう、嫌なヤツだな、私。
二件目のご担当の方々も良い感じの方でした。
多分、今日は良い日なんです。
雪で到着が遅れていたおかげで飛び乗れた電車で
京都駅から思いの外早く事務所まで戻って来ることが出来ました。
駅から事務所までの道で
ふと・・・もう小花のあたたかさがなくなっていても
私は充分過ぎるほど幸せだ・・・って思いました。
ちょっと緊張しながら鍵を開け、庭を通って事務所に入ると
小豆と小花が、駆け寄って来てくれました。
「待っててくれたん?ありがとう・・・」
東寺に全部流したはずやのに、また泣けてきました。
ひたすら抱きしめて、ありがとう〜!ありがとうな☆
えへへ・・・ありがとう!
ぶひひ・・・ありがとう・・・!
先週お願いしていた、小花と小豆の冬服も届いていました!
お洒落して写真撮ってもらおうな、小花。
もう一回お尻も綺麗に拭こう!!
お洒落したら、気持ちが若返るかもよ?
わはは・・・ありがとう。
ずびずび・・・ありがとうな
ほら、似合う!めっちゃ可愛いやんっ!!
支離滅裂な私を事務所の人間は呆れ笑いで見ています(笑)
この元気いっぱいのオレンジ色の服。
これが、もしかしたら最後の服になるのかも知れません。
でも、いいの。
最後になってもいいように、飛び切り似合う、元気の出る服を選んだつもりやもん。
もし、最後じゃなく、もっともっと長生きしてくれるとしても
これから先にお願いする服は、最後の服になってもいい覚悟で絶対に明るい色にするの。
小花が居てくれたから、小花と小豆が居てくれたから
お母ちゃんはここまで頑張ってくることが出来たんよ。
それから急いで晩ご飯を作りに台所へ行きました。
この頃、おネギやタマネギをよく使います。
仕事では言い訳をするわけには行きません。
言い訳なんか通用しません。
そんなことばかりしてたら
ひとつ克服するチャンスも、信用も契約も、全部全部なくなってしまうもの。
だけど、ご飯作るときくらい言い訳させて。
泣いてるのは、タマネギのせい。
何回覚悟決めても泣いてる私が情けなくて、また泣いてる訳じゃないし
悲しいイメージしか湧いてこない今の自分が悔しくて泣いてる訳じゃないし
最後かも・・・て決めた服が、似合いすぎて
それが嬉しくて悲しくて、悲しくて、悲しくて泣いてる訳じゃないし
ザクザクと包丁を入れて、ぽろぽろぽろ。
だから私は今日もタマネギを食べるのです。